日本昔話のような風景の中に佇む「板倉の宿 種蔵」。曲がりくねった山道、手積みの石垣、稲が色づく棚田、麓に民家を有する山並み、点在する木造りの倉、軒先に吊るされた柿…目の前に広がるのは、思わず心が躍るような日本の原風景。
宿に足を踏み入れれば、そこは古民家らしい梁が堂々とはりめぐらされた吹き抜けのある囲炉裏の間。広々とした板の間はたちまちゴロリとしたくなるようなくつろぎ感。迎えてくれるのは、雪国の人らしく、はにかむような表情の優しげなご主人と、チャキチャキと明るい、働き者の女将さん。あたたかなぬくもりは田舎の親戚の家に来たよう。
自作の炭焼き小屋を見せてもらったり、そば打ち体験をさせてもらったり、山菜の種類を教えてもらったり、初めて食べる「エゴマ」の美味しさに感動したり、檜風呂にのんびり浸かったり、月の明るさに驚いたり。テレビも何もなく、自然と暮らしだけがあるからこそ過ごせる、静かで贅沢な時間。
春も夏も秋もそれぞれ美しく、折にふれて何度でも「帰りたくなる」宿。命の洗濯をしに、訪れてみませんか。