飛騨高山と飛騨古川、二つの町で味わう飛騨の奥深さ
賑わいと静けさ、華やぎと素朴さ。岐阜県北部の飛騨エリアには、多くの観光客で賑わう「飛騨高山」と、ゆったりとした時間が流れる「飛騨古川」という異なる表情をもつ二つの町があります。
どちらも風情ある町並みを残しながら、それぞれに個性が光るのが魅力です。“動"と"静”の飛騨を感じる旅へ出かけましょう。
飛騨高山の賑やかさを満喫する"動"の旅
「飛騨高山」は、旅の始まりに活気とワクワク感をくれる"動"の町です。まず向かいたいのは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている古い町並。伝統的な町家が軒を連ね、江戸時代の面影が残る通りを多くの観光客が行き交います。朝から正午まで開かれる「宮川朝市」「陣屋前朝市」には、飛騨の新鮮な野菜や果物、お漬物、手づくりの民芸品がずらり。地元の方との会話も楽しむことができます。
歴史的建造物の「高山陣屋」は、江戸時代に飛騨を治めた幕府の役所であり、現存する唯一の郡代・代官所。宮川にかかる赤い中橋は、四季折々の風景とともに写真映えする人気スポットです。
食べ歩きグルメやお土産も充実
飛騨高山観光の醍醐味の一つは、何といっても食べ歩きグルメ。和牛を気軽に食べられる飛騨牛の串焼きや、口の中でとろける飛騨牛にぎりは、ぜひ味わっていただきたい一品です。他にも、香ばしい醤油味が特徴のみたらし団子や、かわいらしいビジュアルの「さるぼぼアイス」など、町を散策しながら楽しめるグルメが充実しています。
お土産選びもまた楽しい時間。幸せを願うお守りの「さるぼぼ」や、「小糸焼」「飛騨春慶」など匠の技が光る伝統工芸品、季節の素材を使った和菓子・駄菓子など、種類豊富に揃っています。ご自宅用はもちろん、親しい方への贈り物にもぴったりの品が見つかるはずです。
詳しくは以下をご覧ください。
飛騨古川でゆっくり流れる時間を楽しむ"静"の旅
高山の賑わいを満喫した後は、車で約25分の場所にある"静"の町「飛騨古川」へ。飛騨古川の魅力は、落ち着いた雰囲気と素朴な暮らしが色濃く残る穏やかさ。情緒あふれる光景はどこか懐かしく、ほっと心を和ませてくれるでしょう。ゆっくり静かに過ごしたい方には特におすすめです。
白壁土蔵が続く通りには瀬戸川の清流が流れ、春から秋にかけては、約1,000匹もの色鮮やかな鯉が優雅に泳ぐ姿を眺めることができます。町並みには飛騨の匠の技をいかして造られた町家や酒蔵が並び、飛騨古川らしい美しさが大切に守られています。
職人の技や歴史、文化に触れる
飛騨古川の町歩きでは、歴史や伝統文化に触れるのもおすすめです。「飛騨の匠」は、古くから優れた木工技術を誇り、かつて薬師寺や東大寺など数々の神社仏閣の建立に関わった木工集団。その技を受け継ぐ地元の大工たちによって建てられた「飛騨の匠文化館」には、高度な技術の見本展示があり、千鳥格子を組む体験も楽しめます。
「三嶋和ろうそく店」は、今も昔ながらの原材料と製法で和ろうそくを作る老舗。和ろうそく作りの実演を間近で見学すると、職人の息遣いが感じられます。
また、飛騨市は245種類以上の薬草が自生する、薬箱のような町でもあります。薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」では、薬草の七味づくりや入浴剤づくりなどの様々なワークショップが用意されており、薬草の商品も購入可能です。
落ち着いた空間で味わう飛騨の恵み
飛騨古川のグルメは、高山のような食べ歩きではなく、ゆったりとくつろぎながら食事を楽しむスタイル。
飛騨の薬草をふんだんに使ったオリジナル料理が評判の「蕪水亭OHAKO(ぶすいていおはこ)」では、体にやさしい飛騨の恵みを堪能できます。木の温もりを感じる「FabCafe Hida」は、ランチやひだカヌレ、クロモジ茶を味わいながら、広葉樹のお箸づくりなどの体験もできる喫茶店&ゲストハウスです。
他にも、老舗料理旅館・八ツ三館の姉妹店でチーズ菓子専門のカフェ「二十四(にじゅうし)」や、ベルギーワッフルと自家焙煎珈琲が自慢の「カノコヤ」、スパイスカレーサンドや特製スイーツを楽しめる「食堂喫茶どやな」など、落ち着いた雰囲気の中で過ごせるカフェが点在。
お土産は、明治41年の創業以来、100年以上にわたり味噌煎餅を作り続けている老舗「味噌煎餅本舗 井之廣(いのひろ)」がおすすめです。
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二つの町が教えてくれる、飛騨の奥深さ
観光地らしく活気あふれる飛騨高山で賑やかさを楽しみ、飛騨古川では風情ある景色の中で心穏やかな時間を過ごす。この二つの町を巡ることで、飛騨の魅力の奥深さに気付かされます。
共通して根底にあるのは、伝統を大切に受け継ぐ人々の暮らし、豊かな自然とともに育まれた歴史と文化、そして訪れる人々を温かく迎える心。どちらの町にも、時代を超えて守られてきた飛騨の本質が息づいています。
次の休日は、ぜひ飛騨高山と飛騨古川へ。二つの魅力を満喫する「動と静」の日帰り旅を計画してみてはいかがでしょうか。









