ひだの春夏秋冬
2022/10/19

ひだの春夏秋冬

ひだ暮らしの一年

季節ごとに表情を変える山々と清らかな川。大自然に抱かれた飛騨の里には、みずみずしい田畑と歴史ある古い町並みが広がり、一年を通してさまざまな祭りや神事で賑わいます。目覚めの春からはじまって、野山が明るく輝く夏、茜色に染まる豊穣の秋、静かな眠りにつく冬まで、日本の原風景が今も残る飛騨市の暮らしを、絵巻物を広げるように見渡してみよう。

【春】きらびやかな祭の季節

  • まつり屋台
長い冬から目覚め、山笑う春。サクラやミズバショウが花開き、山菜が芽吹いて春の訪れを告げます。町を流れる瀬戸川には、近くの池で越冬していた鯉たちが里帰り。各地でたくさんの祭りがはじまります。毎年4月19、20日の2日間にかけて盛大な時代絵巻を繰り広げる天下の奇祭「古川祭」では、昼は古式ゆかしい「御神輿行列」や豪華絢爛な「屋台曳行」、夜は勇ましい「起し太鼓」が見どころです。
  • まつり屋台の上で行われる子供歌舞伎
  • 起し太鼓

〈お花見スポット〉

  • 御所桜

春の飛騨市は花の名所づくし。黄色い花が可憐なフクジュソウは3月下旬から4月中旬が見頃。河合町の「上ケ島地区」がおすすめです。サクラであれば4月上旬から5月上旬までが見頃で、「真宗寺」「御所桜」「西光寺」「慈眼寺」「山田川」「神岡城」が名所。

  • フクジュソウ
  • カタクリ

4月中旬から5月上旬には紫色のカタクリが見頃になる。「種蔵」「まんが王国」がおすすめだ。4月下旬から5月上旬はミズバショウが咲くので、「池ケ原湿原」へ出かけてみよう。

  • ミズバショウ

【夏】自然のなかで過ごす夏休み

  • 野菜収穫体験

力強い太陽の下、水田で田植えがはじまり、やがて畑でトマトやキュウリ、ホウレンソウといった野菜を見かけるようになったら、夏の到来。輝く清流で泳ぎ、原生林を歩きまわれるまぶしい季節。昼は、暑さが極まれば瀬戸川の水をすくって打ち水を。お盆の時期の夜は、各所で花火大会が行われ、美しい花火が空を彩ります。ユニークな夏祭りも数多く、たとえば神岡町吉田にある常蓮寺では300年前から続く聖徳太子ゆかりの踊りが今も踊られています。

〈涼感スポット〉

  • 山之村牧場

標高1000mにある「山之村牧場」や「山之村キャンプ場」、水辺を満喫できる「池ケ原湿原」や「なかんじょ川」が飛騨市きっての涼感スポット。

  • 山之村牧場
  • 山之村キャンプ場
  • 池ヶ原湿原
  • なかんじょ川
  • レールマウンテンバイクGattanGo!! 渓谷コース

【秋】保存食を作って冬支度

山々が燃えるような赤に染まる秋。「ハサ干し」と呼ばれる昔ながらの方法で稲を天日に干す田んぼが点々と連なります。各家庭では、植木が雪の重みに負けないように雪囲いをしたり、漬物や干し柿といった保存食作りをしたりと大忙し。里では、キツネの嫁入り行列が進む幻想的な「きつね火まつり」や「飛騨そば祭り」といった秋の祭りが目白押しに。川を泳ぐ鯉たちが越冬のために近くの池にお引っ越し。町の酒蔵で入り口の杉玉が掛け替えられれば、新酒の合図。冬はすぐそこに。
  • きつね火まつり
  • 酒蔵の杉玉交換

〈紅葉スポット〉

  • 福全寺跡の大イチョウ

飛騨市で紅葉を堪能するなら、まずは古川の市街地の飛騨の匠文化館の隣に立つ福全寺跡の大イチョウへ。町中から離れたところでおすすめなのが、神岡町にあるモミジやカエデ約120本が色づく藤波八丁遊歩道。清流・高原川沿いにある全長約500mの遊歩道を歩きながら、紅葉を楽しみたい。ブナの原生林が残る天生県立自然公園も、紅葉を楽しむのにおすすめ。ブナ、ナナカマド、カエデ、ウルシなどが色づく。10月下旬〜11月上旬が紅葉のよい頃合い。

  • 藤波八丁遊歩道
  • 天生県立自然公園

【冬】雪国の冬を楽しむ

氷点下の日が続き、山は雪に閉ざされる。動物や草木は深い眠りにつき、人びとは屋根の雪下ろしや雪かきをして瀬戸川に流すのが日課に。作業がすんだらパウダースノーで雪遊び。おいしい保存食をいただきながらゆっくり過ごす。お正月が明ければ、200年以上続く「三寺まいり」が行われ、円光寺、真宗寺、本光寺にろうそくが灯る。恋のご利益を求める着物姿の乙女たちによって町はひとときの活気を取り戻し、そしてまた眠りにつく。目覚めの春まで、あと少し。

 

 
  • 三寺まいり

〈冬の保存食〉

  • 寒干し大根
深い飛騨市の冬グルメには保存の知恵が生きる。山之村で氷点下の大気にさらして作る「寒干し大根」は寒さで縮んだダイコンに旨味が凝縮される。漬物にしていただく。江戸時代から続く乳酸発酵の「赤かぶ漬」はコクと酸味のある漬物で飛騨市の冬の食卓には欠かせない。麹を加えたご飯にマスやダイコンなどを混ぜて発酵させる「ねずし」もお正月などによく食べられる伝統料理です。
  • 干し柿
  • 赤かぶ漬

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