飛騨で古民家ステイ
山里、城下町、豪商の暮らしを体験
昔の暮らしが残る飛騨だからこそ、すてきな古民家の宿がたくさんあります。たとえば、町から離れて懐かしい里山暮らしを味わえる「板倉の宿 種蔵(たねくら)」、城下町の古川ならではの風流な町家で過ごせる「SATOYAMA STAY(里山ステイ)」、明治時代の豪商の別荘で地元の暮らしも込みで味わえる「吉城の郷 小島」。それぞれスタイルの異なる3つの宿をご案内しましょう。
「板倉の宿 種蔵」――日本の原風景に泊まる
「板倉の宿 種蔵」
住所:岐阜県飛騨市宮川町種蔵37-2
電話:0577-63-2888
https://tanekura.com/
農業体験や薬草摘みで、山の暮らしを満喫
「メナモミは、血栓を溶かして血の流れをよくするとされるので、脳梗塞の方によいともいわれているんですよ。イノコヅチは、茎の節がしっかり筋張っているのが特徴の植物で、膝などの関節の痛みによいとされています。」
「あのサンショウの実のまわりにあるのが、クズ。クズの葉と蔓は糖尿病に、花や実は肝臓に、蔓の先の芽は髪によいとされ、根は体を温めるとされて葛根湯の材料にもなっているんですよ。子どもの綱引き遊びで知られるオオバコも体にいいんですよ。種が便秘解消によいとされていて、葉っぱはポルチーニ茸のような香りがします。クロモジはお茶にしたり、香料にしたり、楊枝にしたり、いろいろと重宝する木ですよ。」
薬草摘みは、自然や地元の方に配慮するためにも、また危険な植物と見誤らないためにも、薬草に詳しい地域の方と一緒に巡ってこそ楽しめるもの。薬草は古川町の薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」で乾燥させることもできます(有料)。
「この地域の見どころは、なんといっても種の保存に使われてきた“板倉”。かつて周囲の村が飢饉に襲われて種を失ったときも、この種蔵地域の板倉から種を周りに分け与えたといわれます。種蔵の教えに『家を壊しても倉を壊すな』というものがあり、実際、家の数より倉のほうが多いんですよ」と宿のスタッフが教えてくれた。
「SATOYAMA STAY NINO-MACHI」――商店街の町家に泊まる
「SATOYAMA STAY NINO-MACHI」
住所:岐阜県飛騨市古川町弐之町11-32
https://satoyama-experience.com/jp/satoyama-stay/nino-machi
「SATOYAMA STAY TONO-MACHI」――繁華街の町家に泊まる
飛騨市古川町の町名は、町の成り立ちが感じられてユニークです。瀬戸川が流れて白壁土蔵群の酒造が並ぶ「壱之町」は古川町のメインストリート。「弐之町」は惣菜屋、薬局、服屋など地元の人が日常使いする商店街。「三之町」は昔ながらの町家が残る閑静な通り。そして「SATOYAMA STAY TONO-MACHI」がある「殿町」は、壱之町のすぐ隣にあって、昔は増島城のお殿様に仕える武士が暮らしていました。飛騨が天領地(江戸幕府の直轄地)になると、武家屋敷から花街に変わり、いまでは飲食店や民家が入り混じる町並みになりました。
「SATOYAMA STAY TONO-MACHI」
住所:岐阜県飛騨市古川町殿町7-21
https://satoyama-experience.com/jp/satoyama-stay/tono-machi
「吉城の郷 小島」――豪商の別荘に泊まる
なお、作るのが苦手という方は、お惣菜を買うというテも。地元で愛される「おかずや山本」には、この地方ならではの、こも豆腐、ころいも、味ごはん(山菜の炊き込みごはん)など、なんと30種類ものお惣菜がずらり。地元民の一番人気はカラッとあがった唐揚げ。1日に何度も揚げるから、出来立てのおいしいタイミングに巡り合いやすいのです。
三者三様の古民家ステイ。まだまだ紹介しきれていない個性あふれる古民家もあるので、ぜひ自分にあった宿泊先を見つけて、飛騨暮らしを味わってください!
「吉城の郷 小島」
住所:岐阜県飛騨市古川町向町
*宿泊情報の詳細や予約はairbnbよりご確認ください